夕飯も食べ終え、二人でお皿を洗い、一段落ついたのでソファーへ二人で身を投げ出す。
仕事は疲れたけど、君と過ごす時間はそんな疲れを全て癒してくれる。
「疲れたか?」
「少しはね。でも君が居てくれるから平気だよ。僕は君が一緒にこうして過ごしてるのが凄く幸せなんだ。
君を心から愛してるからかな?」
本当にそう思うから、笑顔でそう答えれば、ルルーシュは恥ずかしい事を言うなっ!と怒鳴ってきた。
だから僕はルルーシュの顔に手を伸ばし、ルルーシュの眉間に触れる。
「そんな眉間に皺なんか作ってたら美人が台無しだよ?」
「お前が変なこと言うからだろ!」
ちょっと照れたみたいに目をそらして複雑そうな顔をするルルーシュの顔を、今度は優しく両手で包む。
暖かい…
じわじわと手のひらに伝わる感触や体温は、生きていた頃と少しも変わらない気がした。
不意に時間が止まり、目が合い、見つめあう…
綺麗な紫水晶の瞳は、そのまま引きずり込まれてしまいそうな錯覚に陥りそうだ。
引き寄せられるままに、僕はルルーシュの唇へキスを落とす。
何時もなら引き気味な君の唇が、今回は自然に僕の方に依ってくる。
軽く唇を触れさせ、そのまま耳をルルーシュの胸へと持っていった。
目を閉じ、耳を澄ますとルルーシュの鼓動がとくん、とくんっと静かに動く音が聞こえる。
「生きてるみたい…」
「今だけな…」
僕がそう呟くと、ルルーシュはそう返してきた。
「もう少しこうしていても良い?」
「あぁ」
生きているルルーシュの鼓動の音をもっと記憶しておきたくて…
何か機械にとかじゃなくて、僕の心に記憶しておきたくて…
だから僕はルルーシュの鼓動に耳を傾ける。
僕がそうしている間、ルルーシュは僕の髪を指先で触り、くるくると弄んでいた。
ルルーシュの表情は、まるで親が子どもを撫でるような穏やかな表情をしている。
「ありがとう」
「もう良いのか?」
「うん」
まだ本当は聞いていたいけど、際限無く聞いてしまいそうだったから僕は名残惜しいけどルルーシュの胸から耳を離した。
目を閉じれば、まだルルーシュの鼓動が聞こえる気がする。
僕は体勢を直し、ソファーにちゃんと座る。
そしてルルーシュに顔を向けた。
「ねぇ、今僕がしたい事をさせてもらったから、今度は君がしたい事を言ってくれないかな?
明日休みも貰ったんだ。だから言ってみて?出来る事ならしたいし」
一瞬驚いた顔をしたけど、君はすぐに天使の笑みをして顔を横に振る。
「俺は普通にスザクと過ごせれば良いんだ。何気無い日々が好きだから。
例えば朝はスザクより早く起きて朝食を作って、スザクが起きてきたら美味しそうに朝食を食べてくれるスザクが見れて…
休日は何処かに出掛けても良いし、二人でのんびり過ごしても良い。
それで十分幸せだと思うぞ?」
ルルーシュ、それは新婚生活では?
うん、そうに違いない。
「なんだ、じゃあ新婚生活がしたいんだ?」
「違っ!」
真っ赤になってルルーシュは否定するけどもう遅い。
そんなルルーシュが可愛くて、ついついニコニコしてしまう。
「じゃあ明日からも目一杯新婚生活しようね?」
「違うって言ってるだろっ!!!」
ルルーシュが投げたクッションを、僕は顔の目の前で止めながら、ついにやけてしまうのを止められなかった。
明
日もこんな幸せな時間を過ごせますように…
=続く=
**あとがき**
まだまだ続きます…
いつ終わるか不安になってきた…
08.11.21
